ホリデイ・トレッキング・クラブ

市高教見解

自民党密告サイト 現場に土足で踏み込む介入

 
 自民党がホームページで「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なるものを7月に実施しました。教育現場の中には「子供たちを戦場に送るな」、「安保関連法は廃止にすべき」などと主張し「中立性を逸脱した教育を行う先生方がいる」として、不適切な事例をいつ、どこで、だれが、何を、どのように行ったのかについて具体的に記入するように求めました。これに対し、「まるで戦前」「密告サイト」との批判が沸き起こりました。
 自民党は安保関連法や沖縄米軍基地問題、TPP(環太平洋連携協定)など政権与党の政策を批判し、異議を唱えるものはすべて「中立性」から逸脱するものと決めつけ、レッテルを張り、教育現場に土足で踏み込むような介入を平気で行おうとしています。
 このような教育現場への介入は何をもたらすのか。大阪市を例に考えて見たいと思います。
 大阪では、橋下徹前市長が教育現場に不当に介入し、大混乱を巻き起こしました。憲法違反と断罪された市職員への「思想調査アンケート」(2012年)を皮切りに、憲法・教育基本法に抵触する部分を多く含む「教育行政基本条例」「学校活性化条例」「職員の政治的行為の制限に関する条例」が次々と制定されました。
 「教職員の評価・育成システム」が導入されましたが、「育成」の観点がなく、賃金に連動することにより、教職員同士の協力関係や連帯感、高め合いを阻害し、職場には重苦しい雰囲気と繁忙化が蔓延。働く意欲さえ奪いかねない状況になっています。この結果、採用試験に合格しても大阪市では勤務しない、「人が逃げ出す」状況が続くようになりました。そのため教員が足りず、大阪市立の高等学校の教職員数1,300人強の内、期限付講師など非正規の教職員は2年連続して20%を超えました。授業方法を一から指導しないと教室で実践できないという例も報告され、繁忙化に拍車をかけています。状況が大きく変化し職場で政治的な話もできなくなり、国政選挙や統一地方選挙が毎年行われる中で「若い先生たちの中に、選挙で投票することは『中立性』に反すると考えている人がいる」という報告を幾度となく聞くようになりました。
 私たち大阪市立高等学校教職員組合は、教育研究集会で主権者教育をテーマとして昨年から取り組み始め、大教組高校部会として3月に「主権者教育学習会」を開催してきました。4月7日には、教育委員会高校教育課と主権者教育について懇談し、「教育の中立を犯すのは権力を持っている人たちであり、介入をしてくる場合は教育の自主性を守るためにともに取り組む」ことを確認しています。
 自民党は「実態調査」のデータを警察に提供する意向まで示しており、今後さらに教育現場に介入してくることが十分に予想されます。
 私たちは18歳選挙権が実現した今、憲法が生きる教育実践を地道に追求していくため奮闘していきたいと思います。

 

市高教見解

教育への不当な介入を許さない
教育の自由、教職員の政治的自由を守ろう

自民党が、6月25日から7月18日まで党のホームページ上で実施した「学校教育における政治的中立性についての実態調査」は、国民に「密告」を求め、教育へ不当に介入するものであり、断じて許されるものではありません。